最近カジノ合法化が再度聞こえてきたが、どんな背景があるのかは知らない。
ただ、このカジノが合法化すればこんな資金移譲が合法的に可能である。
金融業の場合、銀行間取引や各種商品の売買のよって、違法取得金が合法的利回り配当金や売買益という形で口座間の資金移動を可能とする。
また、租税回避地を利用(無税及び極端な低率税)し、資金減額を避けた移動もよく使われている。
これは、現在フィルタを全世界的に行われるようになった。
またカジノではそういった背景を受け、自主規制を課すところが出てきた。
その代表例が米国ネバダ州の独自基準の採用である。
しかし、カジノではそういった基準を合法的にかいくぐることがいとも簡単にできるのである。
それが「ゲームを介しての顧客同士による資金移譲」である。
つまりゲームに負ければ、合法的に移動したい相手に資金を移動(つまり所有権の移譲がほぼ無税で)できるのだ。
カジノであれば、顧客間のゲーム収益に対しては感知出来ない。
たまたまいる人同士が、それぞれ勝手に負けて勝手に勝っている結果としてお互いの資金量に変化がつくだけのことであるからだ。
時間軸の極端に短い取引みたいなものである。
実はもう一つ重要なことがある。
それは銀行もカジノ内に存在しているということだ。
多額の現金移動には、コストと監視がかかる。強盗にあうかもしれない。
ではどのようにカジノへ(もしくはカジノから)現金を移動するのかということである。
銀行(多くはプライベートバンクの担当員(移動銀行)だろう・・・)がなければ安全に資金移動をすることは不可能であり、合法的にカジノで利用する、もしくは合法的にカジノで得た資金を持ち出しすることについては、カジノが合法化されればなんら違法性もなく、堂々と政府に申告(本人確認が必要だが)もできるのだ。
ここでピーンと来る人は頭がいい人だ。
日本で大王製紙の会長がカジノで100億円負けたそうだが、本当にカジノでゲームするためだけにそこへ大金を送金するのかという疑問が、どうしても出てしまうのだ。
たまたまゲームして、たまたま勝ち負けして、100億円という大金がたまたまそこにいた顧客たちへ移動したといわれても、、、というわけだ。
貼り付け開始ーーーー
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111027-OYT1T00665.htm
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20111027-OYT9I00666.htm
大王製紙の井川意高(もとたか)前会長(47)による巨額借り入れ問題で、井川前会長が連結子会社から借り入れた計約106億円のうち約90億円が、海外のカジノ関連会社の口座に前会長名義で入金されていたことが27日、関係者の話でわかった。
大王製紙の特別調査委員会の調べで、このほか十数億円が米国のカジノ運営会社の口座に直接振り込まれていたことが判明しており、借入金のほぼ全額の100億円超が海外でのカジノに使われていた疑いが出てきた。
大王製紙は28日にも調査委の調査結果を公表し、近く会社法違反(特別背任)容疑で井川前会長を東京地検特捜部に告発する方針。特捜部は調査結果の分析などを経て、前会長本人から事情聴取するなど本格捜査に乗り出すとみられる。
貼り付け終了ーーーー
できすぎた茶番だと思う人もいるのかもしれない。
捜査当局はあらかたわかっているのだろう。
今後、カジノ合法化議論が活発になってくると思うが、今まで述べた視点が一番重要なのを知っておいても問題はなかろう。