2007年4月13日金曜日

日本の金融を理解するために

私は、現状の貨幣経済に危機は持っていますが、だからといってどうしようもないわけでして、今は為替相場とか商品相場を用いてでしか貨幣経済の行く末を見守るしかないわけであります。
本来であれば、日銀券のようなものは実態のある金や銀に裏づけされた紙幣でなければいけないと思ってまして、しかし、現状では不換紙幣といって何も裏づけのない紙幣によって成り立っているわけであります。あるといえば日本政府の債務が裏づけともいえるのでしょうが、これはつまり借金によって成り立っていて、「国民から徴収した税金で債務を返済します」ということで日銀が日銀券を発行している。
銀行にお金を預けますが、これはある一定割合しか預金引き出しを求めないという前提に立って、預かったお金はある割合を残してすべて貸し出にまわすのです。その割合を10%とか決めてしまえば、銀行には全預金額の10%しか金庫にはありません。残りの90%は貸し出しに使い、そこから金利を取るのです。もちろん、貸し出したお金は相手に作らせた口座に振り込むことになるわけで、貸し出した金が、銀行に振り込まれ、そしてそのうちの90%をまた貸し出しに使い、そして口座に振り込んで…というように繰り返すことで、どんどんお金が作られていくというわけです。
借り手がいないと、また、お金を使わず皆が貯金し続けると銀行は立ち行かなくなるわけがわかりますね。ひとたび、このサイクルが回りだせばすぐに銀行は利益を出せるのです。今の銀行がそれを実証してくれました。
つまり、預けると9倍のお金が発生し、それらから取る金利によって銀行の収益の増減につながるということです。紙幣・貨幣に貴金属による裏づけがあれば、そこまで膨らむことはないと思いますが、交換比率や含有率を変えてしまえば同じようなことになるとおもいます。「悪貨は良貨を駆逐する」というのはこういうことです

実はお金の実態は貴金属なのですが、そういった世の中になることはよほどのことがない限り無理でしょう。また、そうなれば経済はいったん縮小しますが、立ち直りも早く、実態に合った経済になると思います。
今は実態以上のお金が氾濫しているので、インフレ・デフレになるとその相場の上下動が激しいと予測されます。


参考図書
「マネーを生み出す怪物」



以下でもこの本が紹介されています。
http://asyura2.com/0510/idletalk15/msg/504.html
http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200511040000/