2007年4月26日木曜日

ちょっと面白い記事

http://alternativereport.seesaa.net/article/40065096.htmlより転載

国家消滅
 ・・・2つの歴史書を巡って・・・


英国人による歴史上初めての英国の歴史書、
ディヴッド・ヒューム著「英国史」全8巻
・・そして最近翻訳されたノーマン・デイヴィスの英国史、
「アイルズ」(共同通信社)1400ページもとにかく長い。

「自分の国はこんなにすごい歴史を持っている」という
愛国心の発露で書き始められるから、当然長くなる。


しかし書き終わると全く逆の結果になる。

英国の歴史は、英国の支配を拒否するアイルランド、
スコットランド、ウェールズ等との凄まじい血みどろの
殺し合いの歴史であり、平静な「国家としての統一」など
あった試しが無い。

愛国心あふれる著者達は、英国史についての調査と執筆が
進むに従い、次第に暗い筆致になって行く。

[続きはここから]


また「英国人」という民族の統一を探れば、北欧ノルマン
からの流民、フランスからの流民に行き着く。

戦争に敗北し、欧州本土から逃げて来た「落ち武者」 である。

現在のエリザベス2世等の英国王室は、ドイツからの移民
一族でしか無い。

「民族的統一」を探しても、他民族からの流民と「落ち武者」
の混合物でしかない。


「固有の民族文化」を探っても、ノルマン、フランス、
ドイツ等からの輸入文化に行き着く。

「国家」の統一の礎石となる「民族、文化の同一性」など
有りもしない捏造話である事が、知識と研究の進展に従い
明らかになる。


「国家の統一、固有の民族、文化」など無知の代名詞である
事が分かって来る。

そして国家主義者ほど国家解体論者になる。

最後に博覧強記の哲学者ヒュームは、とうとう
「全ては疑わしい」という懐疑論者になってしまった。


ヒュームと異なり、いい加減で無責任な者だけが
国家主義を唱える。


サッカーのワールドカップを見ると、英国ではなく
アイルランドはアイルランドとして、
ウェールズはウェールズとして参加している。

著者達はそれで良いのだと言う。

国家など「嘘話」であったのだから、アイルランドは
アイルランドとして国際社会に参画すれば良い事になる。

また世界中が、英国ではなくアイルランドとして国際試合へ
の参加を認めている。

国家など「嘘話」であった事を世界中が認め始めている。
日本だけが、教育現場で強制的に日の丸を掲げ、
君が代の歌を
歌わせ始めている。

時代錯誤の北朝鮮の金正日同様、日本の安倍政権は
「安倍正日」である。


国家についての研究を終生の課題とした学者達の行き着いた
結論について、耳を傾けるのも無意味ではないかも知れない。


国家等などというものには実体が無く、人間の空想の産物で
ある事を論証した物として(日本では霞ヶ関の官僚=霞ヶ関
のビルと、その中で働くサラリーマン=セメントと鉄骨の塊
とサラリーマンの軍団を何故か「国家」と呼んでいる)
・・ベネディクト・アンダーソン著「想像の共同体」
NTT出版


「国家統一」の基盤である「固有の民族・伝統文化」
といったものが、「統一」のために捏造された虚偽である点に
ついて
・・エリック・ボブズボーム著「創られた伝統」
紀伊国屋書店


哲学、言語学の視点から「国家」というものが、実体の無い
捏造された「虚偽体制」である事を証明し、この虚偽が人間の
認識を誤らせている点について
・・ 吉本隆明著「共同幻想論」角川書店
転載終了ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

存在を解釈するにいたって、一番重要なのは教育です。
前回も述べましたように、教育によって存在は「解釈」されるのです。
石という「存在」を石という文字でしかわれわれは「解釈」できないのです。
石自体の「存在」と石という文字はまったく別物なのに!

われわれがそこに存在しているものを解釈するには教えられることでしかできないのです。

壮大なる虚像の中で生きていかねばなりません……